千歳町の凧印と屋台

その二 屋台 

 


お囃子(鞍馬山)




浜松まつりの夜を華麗に飾る御殿屋台

 

 浜松まつりの屋台の始まりは、凧合戦の帰りに大八車の四隅に柱を立てて凧を
屋根のかわりにして引いたところ、千歳町・伝馬町の芸者衆と役者達が一緒にな
って鐘や太鼓
で帰り道囃子ではやしたところからと言われています。

 その後、大正4年頃から底抜け屋台や花屋台が登場し、そして、お囃子が屋台
に乗るようになり、重層唐風入母屋
造り、桃山式などの御殿屋台が出現し見事な
彫刻が施されてきました。

 太平洋戦争の戦火ですべての屋台は焼失してしまいましたが、浜松っ子の情熱
で次から次へと復元されました。
 
 当千歳町も戦後2代目となる現在の屋台を昭和27年に再建しました。
そして、昭和63年には浜松まつり会館に浜松屋台の代表として1年間展示され
ました。




千歳町の屋台と彫り物

 

型 式    桃山式三手崎出組屋台

再建完成日   昭和27年4月吉日 (約三年の歳月をかけ完成)

        彫刻師    岡崎市 江坂鍾平氏・江坂兵衛氏(親子)

        屋台棟梁    浜松市 高塚房太郎氏

製作費    約300万円(当時)

総重量    約4.5トン  けやき・檜の白木造り

全長 6.2m   全幅 3.8m  全高 5.35m


 屋台の手彫り彫刻は天狗にまつわる話より選ばれ、源義経(牛若丸)との鞍馬山での
修行時代から青年期を迎え、源平合戦に出陣をする時の様子を再現しています。
 各町の屋台彫刻は、子供の健康や成長を願うものと町内の和合をテーマにしたものが
多く、昔話や七福神、そして竜や十二支な
どと趣向をこらしています。
 また、近年では良い材料を探す事が困難であり、外見的には漆塗りに貝殻をはめ込ん
だりして美しく完成されていますが、彫刻類は残念ですが機械彫りの物も有るようです。?


 当町の屋台の様に、けやき・檜の白木造り・手彫り彫刻の屋台は、良い材料と職人さ
んに恵まれた、貴重な屋台なのです。

 誰もが自分の町の凧・屋台を1番だと自負しています。この愛町精神が伝統を守っています。


 一層部の彫刻

    屋台正面部


       
凧印の天狗の面と左右からの昇り龍が圧巻です。
「天狗の毛髪・ひげ等は白熊の毛を使用しています。」

  

 源義経(牛若丸)が鞍馬山での修行を終え源平合戦に出陣する時の絵巻

 左右欄間の彫刻は源平合戦の絵巻と言われています。

屋台一層部欄間(右側)


続く家来の軍勢
義経と弁慶

 屋台一層部欄間(左側)

 
   

 

 

                   

 屋台一層部欄間(後部)


      
 

 屋台一層部脇障子(後部)

後方より左側        後方より右側  

 

鬼 板(おにいた) (げぎょ)

 (正面・上から順に)

  風 神・雷 神    

災害をしずめ穀物の豊作を願い、さらに高いところからすべてを制圧
せんとした町民の力強さを表現しています。

                


  牛若丸が天狗と烏天狗達と鞍馬山で修行を行っている時の様子
                

        

(後方・上から順に)

おめでたい宝物や鳳凰・狛犬などの彫刻

 
    




    各所の飾り金具も見事! (天狗・立葵・・・)  
                    
                                                                                                                                                                                                
                                                            

現在の浜松屋台の基本となった組み物 (三手崎出組)




平成12年3月に97歳で永眠された東伊場・高塚房太郎氏は数多くの浜松
 屋台を
製作されました。その屋台の中でも「千歳町」の屋台は浜松で初めて
 組み物としての三手崎出組を採用し、重厚な屋台に仕上げられています。



お囃子
  千歳町のお囃子連は、小学生の女の子で、本番3日間の為に、
 練習を重ね晴れの舞台を迎えます。

 披露される曲は「鞍馬山」「四丁目」「浜松まつり唄」です。


             


                
    お囃子連だけ(女の子)の法被

     昭和40〜50年代
     現在使用しているお囃子連の法被
 


  ※
浜松まつりガイドブックをはじめ皆様の貴重なお話や資料を参考にさせて
    いただきました。

       
         
        更新:平成20年5月
千歳町凧揚会・天狗連
  ま と め :杉山晋也

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